北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。
自家焙煎なるものに「挑戦」してみた。「コーヒー」をあつかう人間としていちどはじぶんでコーヒーを焼いてみたい、そうかねがね思ってはいたのだが、都会の賃貸マンション暮らしではけむりや匂いの問題などもあってなかなか手を出せずにいたのだった。

そんな折り、グラウベルの狩野さんの本で知ったのがコレ、「煎り上手」である。
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くわしい説明はさておき、熱力学の応用により手網焙煎などにくらべてずっと気軽に、しかも短時間で焙煎できるというなかなかすぐれものの器具なのである。

そこでさっそくチャレンジということになったワケだが、洗濯物に匂いがつくから室内ではダメという妻の「言いつけ」に従いベランダへ・・・。さいわい、うちは最上階&ベランダが独立しているため近隣からクレームがくるリスクも少ない。それに、ふつう20分はかかるとされる「手網焙煎」に対しこの「煎り上手」なら5~6分程度の焙煎時間で済むという。これならなんとかなるだろうと踏んでの「強行突破」である。

準備万端、道具をセッティングし、さっそく開始。温度計やストップウォッチでのデータ記録にもぬかりはない。開始から4分弱でチャフが飛びはじめ、パチパチッという音とともに「1ハゼ」がはじまる。そのまま続けていると、けむりとともにチャフが勢いよく飛び散りはじめ、やがてピチッという音で「2ハゼ」がはじまる。そして「ここだっ」というタイミングで火から器具を離し、中の豆を急いでザルに出してやる。ここからはスピード勝負、余熱をとるためドライヤーで豆を冷やしたら出来上がり!所要時間はトータルで約8分といったところ。生まれてはじめての焙煎にしてはきれいに焼けているが、これはぼくの実力というよりも「煎り上手」の実力であることに疑いの余地はない。じぶんで焼いた豆は、なんだかひと粒ひと粒が「こども」みたいで愛おしい。焙煎職人の方の気持ちが、ちょっとだけわかった気分!?
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ほんとうならすこし豆を落ち着かせてやってから飲むべきなのだろうけれど、はじめての焙煎ということで我慢がきかず、ドキドキしつつさっそくドリップしてみた。
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う~ん、思った以上にちゃんとしたコーヒーになっている。むしろ、予想以上の出来といえるかも。やるなァ、「煎り上手」。なにより、ついさっきまで青緑色していたコーヒー豆が、こうしてカップのなかでいまや琥珀色の液体になっているというその事実が感動的である。

焙煎職人の方が独自の技術と経験をもとにつくりだすコーヒー豆はさながら「芸術作品」のようなものだけれど、たまには日曜焙煎人のつくる「手作りオモチャ」のようなコーヒーもわるくない。