北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。
雨が降っている。「夏」への訣別を告げるつめたい雨。そして、傘もあまり役に立たないようなこぬか雨の道をとぼとぼ歩きながら、そうだ、きょうはこれを聴こう、ずっとそうかんがえていた。

中島ノブユキのソロ・アルバム『エテパルマ〜夏の印象』

夏の印象。猛暑のただ中でこのCDをはじめて耳にしたとき、もしかしたらこのサウンドがほんとうにしっくりくるのは夏ではない季節、もっと言えば「はじめての秋の雨の日」なのではないかと直感した。

この『エテパルマ』は、ピアニスト中島ノブユキによる全曲インストのアルバムである。オリジナルの楽曲以外にも、ここでとりあげられる音楽はヴィラ=ロボス、デューク・エリントン、シューマン、そしてモンポウなどと幅広い。そしてそれらの音楽が、中島の弾くピアノを軸にギター、バンドネオン、ストリングスなどを含むアンサンブルによって巧みに味つけされ、原曲とはまた異なる姿をもってフレッシュに立ち現れる。

たとえていうなら、夏の匂いがかすかに残るこの一瞬のためのサウンドトラック。できうるならば、まだどことなく長袖に腕をとおすのがぎこちないうちにこのCDにふれてほしいと思うのだ。
エテパルマ~夏の印象~ エテパルマ~夏の印象~
中島ノブユキ (2006/07/26)
インディペンデントレーベル

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