北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。
しのつく雨の中、打ち合わせのため午後の渋谷へ。

仕事でまいにち渋谷へ通っていたのは5年まえのこと。いまでは、年に数回あしを運ぶのがせいぜいだ。近道するつもりでもぐった地下道では道に迷いそうになるわ、あったはずのビルは影もかたちもなくなっているわで、まったく「浦島太郎」もいいところ。

そんななか、ふと目にはいったのが以前オフィスによく出入りしていた宅急便のお兄さんで、そのとたんなつかしいというよりは、むしろどこか遠い異国の地で知っている顔をみつけたときのようなそんなホッとした心持ちになったのが可笑しかった。

なつかしいという感情はつまり、じぶんはまだその「場所」にいてそこから過去をふりかえっている心持ちをいうのだと思うが、ここで、ぼくはもうすっかり「なつかしさ」すらも感じられないようなただの「異国のひと」になってしまったらしい。

渋谷が、気がつけばずいぶんと遠い場所になっている。