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北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。
秋はブラームス、そう清少納言が言わなかったのは、ひとえに清少納言がブラームスを知らなかったから(←あたりまえ)にちがいない。と、まあそれほどまでに、秋にブラームスの音楽は似つかわしいと思うのだ。

オーケストラ、室内楽を問わずブラームスならどれもいいのだけれど、ぼくはここのところ「原点」に立ち返って(?!)交響曲、しかも交響曲第一番を聴きたい気分である。そこで、以前実家から持ってきたきりそのままになっていたワルター指揮のCDを聴いてみた。ところがこれが、(ぼくにとっては)まったく意味のわからないエグい演奏で聴き通すのがつらいほどで参ってしまった。

ブラームスの交響曲、とりわけこの「第1番」は着想から完成までになんと21年(!!)もの歳月を費やした力作として知られている。じっさい、なんどもなんども推敲を重ねた作品らしく、この音楽の構成は緻密で隙がない。なにかを足すことも引くことも許さないような、そういう迫力すら感じられる。よって、小手先ひとつでなにかをしようなんてまさに愚の骨頂、茶室に花柄のカーテンをぶらさげるようなものである。

というわけで、あわててこれぞ理想の演奏と思えるようなCDを買ってきた。クルト・ザンデルリンク指揮シュターツカペレ・ドレスデンによる一枚である。

こういう、ひとつひとつレンガを几帳面に積み上げてゆくような職人的仕事こそがこの曲にはふさわしい。もちろんそればかりではない。そこかしこに聴くものをはっとさせるような「匠の技」が散りばめられていて、感心させてもくれる。こんなブラームスが聴きたかったのだ、ぼくは。

しかも、である。こんな見事な演奏が半永久的に楽しめて、このCDなんと一枚たったの1,000円(!!!)である。これを価格破壊と呼ばずしてなんと言おう。これがテレビショッピングなら、ここでいっせいにサクラのおばちゃんの歓声が上がるところだ。「のだめカンタービレ」の千秋真一指揮R☆Sオーケストラによる演奏も気になるところだが(!?)、やはり一枚をということであればクルト・ザンデルリンクが振ったものがおすすめである。

ブラームスはザンデルリンク、清少納言ならきっと、そう言うことだろう。

ブラームス:交響曲第1番 ブラームス:交響曲第1番
ザンデルリンク(クルト) (2003/03/26)
コロムビアミュージックエンタテインメント

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