北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。
原稿を書いていた。

年末のうちから、きょうは「原稿を書く日」と決めてある。きのうからすでに、「そうだ、あしたは原稿を書くんだよな」となんども考えた。けさはけさで、コーヒーをすすりながら「これから原稿を書かなきゃなあ」と考えている。以前にも書いたことがあるが、子供のころから八月三十一日に泣きながら宿題を片づけるタイプなのだ。こうやって自分を崖っぷちに追い込むことも仕事のうちといえばいえなくもない。

そして原稿を書いた。

日がな一日ということはなく、たぶん正味二時間とか三時間とかだと思うのだが、なんとなく煮詰まると紅茶をいれたり、実家から持ってきたCDを聴いてみたり、あるいはただチンパンジーのように部屋のなかをウロウロしていたりして、じっさいにはそういった時間のほうがはるかに長い。短いコラムですらそうなのだから、「書き下ろし三百枚」なんていったらいったいどうなってしまうのだろう。想像もつかない。まあ、想像する必要もなのだけれど。

原稿を書いた、といってもじつはまだ下図にすぎない。

いつもそうなのだが、いったん下図をこしらえて、それからまた全部書き直す。全部、白紙からまた書き直す。八割がたおなじようなものが出来上がることもあれば、まったくちがったものが出来上がるということもある。だから、じっさいにはまだ完成していない。一応、〆きりは十日ということになっている。それにしても、モーツァルトの楽譜には書き直した痕跡がまったくみあたらないらしい。「天才」というよりも、非常にレベルの高い「職人」という気もする。

気づけば三ヶ日も終わっている。