ことしは「ボサノヴァ誕生五十周年」なのだそうだ。打ち合わせの席上、bar bossaのはやしさんからそう教えられた。そうか。そういえばそうなのだなあ。ということは、「ぼくが熱心にボサノヴァを聴くようになってから十周年」という話でもある。なぜかというと、ちょうどそのときは「ボサノヴァ誕生四十周年」を記念(中途半端な「記念」だな、しかし)して一挙に名盤の数々がリリースされ、そうしたCDをいっしょうけんめい買い漁っていたからだ。
はじめて「bar bossa」にお邪魔したのもたしかその年だったはずで、その意味では、はやしさんとも十年来のおつきあいということになる。渋谷で仕事をし、プライベートでは友人とイベントなどやっていたころだ。そういえば、そんな十年前に買ったCDの一枚にナラ・レオンのアルバム『美しきボサノヴァのミューズ』がある。原題は、いみじくも『十年後(dez anos depois)』。軍事政権による圧力から逃れるためブラジルを離れパリへと移ったナラが、十年前のリオでの日々を慈しむかのように歌ったボサノヴァ・ソングブック。ナラの「十年」には到底およばないまでも、その後の「十年間」に会社員を辞め、荻窪に店を開き、吉祥寺に店を移転したことを思うと、たかが十年されど十年、その「重み」みたいなものについクラクラしてくる。そしてついでに、十年後に自分がなにをしているかなんて考えることがいかに不毛なことかと思えてくるのだ。
はじめて「bar bossa」にお邪魔したのもたしかその年だったはずで、その意味では、はやしさんとも十年来のおつきあいということになる。渋谷で仕事をし、プライベートでは友人とイベントなどやっていたころだ。そういえば、そんな十年前に買ったCDの一枚にナラ・レオンのアルバム『美しきボサノヴァのミューズ』がある。原題は、いみじくも『十年後(dez anos depois)』。軍事政権による圧力から逃れるためブラジルを離れパリへと移ったナラが、十年前のリオでの日々を慈しむかのように歌ったボサノヴァ・ソングブック。ナラの「十年」には到底およばないまでも、その後の「十年間」に会社員を辞め、荻窪に店を開き、吉祥寺に店を移転したことを思うと、たかが十年されど十年、その「重み」みたいなものについクラクラしてくる。そしてついでに、十年後に自分がなにをしているかなんて考えることがいかに不毛なことかと思えてくるのだ。
![]() | 美しきボサノヴァのミューズ <完全盤> ナラ・レオン (1998/05/27) マーキュリー・ミュージックエンタテインメント この商品の詳細を見る |
スポンサーサイト