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北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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パガニーニの弾くヴァイオリンをめぐっては、まことしやかにこんなうわさが囁かれていたらしい。

あいつは悪魔に魂を売り渡して、ひきかえにあの腕前を手に入れたんだ

ギャンブルとオンナを好み、痩せて浅黒く、けっして美男子とはいえないのにナポレオンの妹ともスキャンダルになるほどよくモテた。周囲のオトコたちからしたらさぞかし不愉快な、いけすかないヤツだったにちがいない。

そんなパガニーニという人物を、ぼくはなんとなくカリスマ的人気を誇るロックスターのようなものとしてとらえていたのだが、死後に教会から埋葬を一時拒否すらされ、その遺体は各地を転転とする羽目になった(ウィキペディアより引用)なんていう逸話を聞いてしまうと、どうやら実際のところはもっとオカルト的な存在として本気で周囲をビビらせていたのかもしれない。

paganini.jpg

怪優クラウス・キンスキーが演じるのは伝記に登場する生身のパガニーニ本人ではなく、そんな「伝説」と化した、当時のひとびとのなかで肥大化したモンスターとしてのパガニーニなのである。むしろこの、色々な意味で、やりたい放題の映画を観るかぎり、じぶんのモンスターっぷりを爆発させるためその「材料」としてパガニーニというスキャンダラスな人物を「利用」したようなフシもないわけでなく、おそらくこの映画をパガニーニ本人が観たら「いや、俺ここまで鬼畜じゃないっすから」と冷や汗を流しながら抗議するにちがいない。

ひとことで言うなら、エロ・グロ・ナンセンスの幕の内弁当にアートのふりかけをまぶした感じ?いや、ほんとうはなんとなくキンスキーの「やりたかったこと」は分からないではないのだが、キンスキーのディストーションかけまくりのパガニーニ像はさすがにちょっと行き過ぎというか、あ~あ、やりすぎちゃったのねと思わずにはいられない。監督、脚本、主演がキンスキー本人だから、だれもブレーキかけれる人間がいなかったのだろう。役者クラウス・キンスキーと数々の作品で交流のあったヴェルナー・ヘルツォーク監督による映画『キンスキー、我が最愛の敵』(←未見)では、当時キンスキーが入れ込んでいた『パガニーニ』の監督をヘルツォークが引き受けなかったことを悔やむ場面があるらしいのだが、それは完成した『パガニーニ』を観たヘルツォークが「もし俺が監督してたら、もっとちゃんと評価されるような作品として残してやれたのに」と映画監督として、またなにより盟友として無念に感じたからじゃなかったろうか?これはあくまでも勝手な想像だけれど。

それにしても、好き好きだからなんともいえないけれど、そして、この手の映画には割と好意的なぼくではあるけれど、これはちょっと予想を上回る《酷い》映画だった。いったいこんな映画、公開時はどこの劇場でやったんだよ、と思って調べたら



元の職場



だった・・・。しかもオープニング記念作品(笑)。オープン当時ぼくはまだ入社前だったので事情はわからないのだが、よくやったなぁ。音楽モノだからいいと考えたのか。試写を観ずに決めるってことはまずないはずなんだけど・・・。いまとなっては上映しちゃったことじたいタブーかも。



ほんと、おススメしません(笑)。

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