北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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原発事故により、放射能汚染の恐怖に悩まされながら日々過ごしているひとは少なくない。とりわけ事故を起こした原発のある福島県に暮らす人たちはそうだろう。

そうした人たちに対して、ぼくらは思わずこう言ってしまいがちだ。「早く逃げればいいのに」。

じっさい、この件にかんしてはすでに日本中の多くの自治体が協力に乗り出していて、一定期間無料で住居を提供してくれたり、場所によっては当面の仕事をあっせんしてくれるような素晴らしく協力的な自治体もあるらしい。不自由な避難所生活を余儀なくされているひとはもちろん、ちいさな子どもを抱える家庭も、こうした制度を活用して一年でも半年でも放射能汚染の恐怖から離れて過ごしたほうが精神衛生上もいいのではないか、そう考えずにはいられない。

とはいえ、現実はなかなか複雑だ。日々恐怖におびえながらも、諸般の理由から動けずにいる人たちが大勢いる。事実、ニュースが伝えるところでは、被災者のために住居や仕事を用意した自治体の多くで募集枠が埋まらないといった事態も起こっているらしい。なぜか?

狩猟民族とか農耕民族とか言うつもりはないけれど、ようは生まれてこのかたさまざまな「縁」によって特定の土地に縛りつけられているのがたいがいの人間なのであって、そうカンタンには移住したりはできないものなのだ。その証拠に(?)、ぼくらの目にはあんな「自由」に見える「寅さん」や「スナフキン」だって行ったきりにはならないで、放浪のあいまにはかならず葛飾柴又やムーミン谷に戻ってくるのである。

たとえばの話、ある日見知らぬ外国人がつかつかとこちらに寄ってきて、いきなりこんなふうに話しかけてきたらどう思うだろう?「近い将来大きな地震が起こって、あらゆるものを壊し、修羅場になることがわかっているというのに、なんであなたはいますぐ東京から逃げようとしないのですか?」。

たしかに、首都直下型地震が30年以内に発生する確率が30%、東海地震にいたってはなんと87%、さらに立川断層で発生するM7クラスの地震も懸念されているのだから、5分後に東京が巨大地震に見舞われてもなんの不思議もない。そんな物騒な土地はとっとと捨ててより安全な場所に移住するほうが賢明にきまっている。にもかかわらず、ぼくらは逃げない。それどころかちょっとカチンときて、こう言い返すはずだ。「そうカンタンに逃げれるワケないだろ!!」

そう、この自分もふくめて、「生活がある」と言い訳しつつ「逃げるに逃げられない」のが人間なのだ。だから、福島の人たちに向かって安易に「逃げればいいのに」といった物言いはしないよう気をつけなきゃいけない。それはそのまま自分に向かって返ってくる。むしろ福島のみならず東京もふくめた各自治体は、危機が迫っているとき、より安全な場所へと巧みに「誘導」するような被災者対応マニュアルを「逃げるに逃げれない」という人間の心理に基づいて用意するべきだと思うのだけれど……。
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