北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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5種類ある! 古本屋から届いた包みをあけたぼくは、思わず声を上げた。たしかに、注文した本にはちがいない。それはまちがいない。ただ、思っていたのと、カヴァーがちがったのである。

アアルトコーヒーの庄野さんにすすめられて、ここ最近スウェーデンの作家マイ・シューヴァル=ペール・ヴァールー夫妻による警察小説〝刑事マルティン・ベック〟シリーズを読んでいるのだが、これがめっぽう面白い。一人の、超人的キャラクターが八面六臂の活躍で難事件を解決へとみちびく〝探偵もの〟よりも、等身大の人間臭いひとびとが四苦八苦しながら事件の核心へとジリジリ近づいてゆく〝警察小説〟のほうに親しみを感じてしまうのは、ぼく自身また不器用な凡人だからだろうか。ストックホルムの街を舞台に、いかにも北欧人といった風情のひとびとが奔走するのもぼくにとっては魅力的なポイントである。

〝事件〟は、シリーズ第4作にして最大のヒット作『笑う警官』を手に入れたときに起こった。この〝刑事マルティン・ベック〟シリーズは全10作、日本では1971年から83年にかけてそのすべてが角川文庫から刊行されている。まず、〝ミステリ通〟庄野さんの指導にしたがいシリーズ第1作である『ロゼアンナ』を手に入れた。つづいて、第2作『蒸発した男』、第3作『バルコニーの男』と手に入れた。その際、カヴァーをすべて「旧版」で統一することにこだわったのは、コラージュ風の日暮修一によるイラストが往年のミステリらしい味わいで気に入ったからである。ちなみに、彼はSSKHKH(←わかるひとだけわかってね)の日暮愛葉のおじさんにあたるらしい。

ところが、「新版」と「旧版」2種類あると思っていた角川文庫版のカヴァーだが、じつはこの『笑う警官』にかぎって4種類存在することが調べているうち、わかった。アメリカ探偵作家クラブから「エドガー賞 長編賞」を授与されたこの作品は、76年『マシンガン・パニック』というタイトルの下ハリウッドで映画化もされている。その人気を受けてだろう、日本でも『笑う警官』はたびたび版を重ね、どうやらそれにあわせてカヴァーデザインも更新されたきたらしいのだ。しかも厄介なことに、この『笑う警官』、日本では2番目に刊行されている。

ネットでみかけた4種類の『笑う警官』のカヴァーのうち、日暮修一バージョンを除く2種類は比較的最近のデザインであることがわかる。もう1種類は、いつ刊行されたものか定かではない。そこでぼくは、細心の注意を払って72年発行のものを古書店に注文してみたのだが、その結果は冒頭のとおり。つまり、包みを開いたぼくが目にしたものは、その存在すら知らなかったなんと〝5種類目の〟カヴァーだったのである。

この〝5種類目の〟カヴァー、いま手元にある『笑う警官』の奥付をみると、「昭和47(1972)年12月30日発行の7刷」とある。初版が同じ年の7月20日だから、半年足らずのうちに7回も版も重ねたことになる。ふつうにかんがえれば、大石一臣というひとのイラストによるこのカヴァーが初出にちがいない。相変わらず日暮バージョンを手に入れようと、しかもできるだけ〝安価で〟手に入れようともくろんでいるぼくとしては、それが2番目なのか3番目なのか、はたまたいつごろの時期にあたるのか、気になってしかたない。確率1/2ならまだいい。いつまた、こんなふうに叫ぶことになるのではないかとかんがえると恐ろしくてしかたないのである……




6種類もあったのか?!
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