北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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のら犬をみかけなくなって久しい。ぼくが、小学校の6年生から中学の2年までを過ごした静岡県沼津市には、まだまだたくさんののら犬たちがわがもの顔に町内を闊歩していた。通称〝四つ目〟も、そうしたのら犬たちのなかの一匹であった。黒白の中型犬で、黒い顔のちょうど両目の上にふたつ白い斑点があった。それが、遠目には4つ目あるようにみえるため〝四つ目〟である。〝四つ目〟は、よく言えばフレンドリー、わるく言えば素行のあまりよろしくない犬であった。

ある朝、ぼくは学校へ行くため家を出た。自宅と小学校とは目と鼻の先である。家を出て、駐車場を兼ねた空き地を突っ切り、信号を渡ればもう学校の裏門だった。〝四つ目〟につかまったのは、まさに空き地に入った瞬間である。「よぉ、兄ちゃん、どこ行くんかい?」「が、学校です」そんなやりとりをしながら目も合わさず、足早に振り切ろうとするぼく。そのときである。肩のあたりにイヤな感触をおぼえた。恐ろしくて振り向くことができなかったものの、いままさに起こっていることはだいたい想像がついた。

後ろ足立ちになった〝四つ目〟が、ぼくの両肩に前足をかけている。そう、フォークダンスの「ジェンカ」のかたちである。とにかくぼくはそろそろと、そのままのかたちをキープしながら空き地を横切った。飽きたのか、疲れたのか、思ったほどには面白くなかったのか、信号の手前で〝四つ目〟はどこかに消えてしまった。

家に帰ったぼくはさっそく、その恐怖体験の一部始終を母に語った。ゲラゲラ笑いながら、「面白かった!」と母は言った。窓から見ていたのだ。「助けろよ!!!」そのままグレなかったのが、いまでもふしぎである。
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