タッシです。チョットチョット、って、それはたっちでしょ。

まるでソフトロックのミュージシャンのようなルックスですが、これでもれっきとしたクラシックの音楽家。1973年に、ピーター・ゼルキン(Pf)、アイダ・カヴァフィアン(Vn)、フレッド・シェリー(Vc)、そしてリチャード・ストルツマン(Cl)の4人によって結成されたグループです。ちなみに「タッシ」というのは、「幸福」を意味するチベット語なのだそう。ファッションはもちろん、グループ名やチベット仏教にインスパイアされたアートワークからも彼らが当時のサイケデリック・カルチャーに大きな影響を受けていることは一目瞭然です。ウィキペディアによれば、ムーブメントとしての「サイケ」は「1966年に徐々に始まり(中略)70年代中盤までには沈静化していった」とありますが、タッシもまた、60年代後半からそれぞれに活動をはじめ70年代後半にはオリジナルメンバーでの活動に終止符を打っています。
そんな彼らが、レコードデビューにあたってフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンの作品「世の終わりのための四重奏曲」(1941)を選んだのは、むしろ当然といえば当然と言えるかもしれません。なにしろメシアンといえば、「独特の浮遊感と超現実的な音作りを基調」(Wikipediaより)とするサイケデリック・ロックよりもはるか以前から、ということはつまり「サイケデリック」という言葉が誕生するよりもはるか以前から、「独特の浮遊感と超現実的な音作り」をつづけてきた作曲家といえるからです。
じつはこのCDにはオリヴィエ・メシアン本人による楽曲解説が付されているのですが、これがすごい。たとえば第二曲「世の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ」について。
第1と第3(きわめて短い)の部分がこの強い天使の力を喚起する。その髪は虹で、その衣は雲であり、かれは一方の足を海に、もう一方の足を地に置いている。(中略)ピアノはブルー=オレンジの和音でカデンツを奏し・・・(以下、略)
ブ、ブルー=オレンジの和音って、なに?
あるいは、第七曲「世の終わりを告げる天使のための虹の混乱」について。
強い天使が、特にかれを被う虹とともに現れる(虹は平和、英知、発光体と響きのすべての震動の象徴である)。(中略)そこで、この移行的段階に従ってわたくしは非現実へと進み入り、忘我的な旋回や超人間的な響きや色彩のめくらめくような浸透へ身を委ねる。これらの火のような剣、これらのブルー=オレンジの洗う河、これらの突然現れる星たち。それら群に注目せよ、虹に注目せよ!
出ました!「強い天使」。しかもまたまた「ブルー=オレンジ」ときた。どうやら「ヨハネ黙示録」から霊感を受けて作曲したためこんなことになってしまったらしいのですが、難解というよりはもはや感覚的、極彩色のサイケワールドとはいえないでしょうか?つまりこういう音楽を聴くときは、アタマで理解しようとするよりももっと感覚的に、その音響世界にトリップしてしまうほうがずっと面白いと個人的には思うわけです。
ドアーズやヴェルヴェットアンダーグラウンド、ジェファーソンエアプレインといった60年代から70年代にかけてのロックミュージック、あるいは音響系やエレクトロニカといったジャンルに興味のあるひとはぜひ、メシアンの音世界へのフラワーチルドレンからの返答ともいうべき(!?)このタッシ版「世の終わりのための四重奏曲」を騙されたと思っていちど聴いてみていただきたいのです。


まるでソフトロックのミュージシャンのようなルックスですが、これでもれっきとしたクラシックの音楽家。1973年に、ピーター・ゼルキン(Pf)、アイダ・カヴァフィアン(Vn)、フレッド・シェリー(Vc)、そしてリチャード・ストルツマン(Cl)の4人によって結成されたグループです。ちなみに「タッシ」というのは、「幸福」を意味するチベット語なのだそう。ファッションはもちろん、グループ名やチベット仏教にインスパイアされたアートワークからも彼らが当時のサイケデリック・カルチャーに大きな影響を受けていることは一目瞭然です。ウィキペディアによれば、ムーブメントとしての「サイケ」は「1966年に徐々に始まり(中略)70年代中盤までには沈静化していった」とありますが、タッシもまた、60年代後半からそれぞれに活動をはじめ70年代後半にはオリジナルメンバーでの活動に終止符を打っています。
そんな彼らが、レコードデビューにあたってフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンの作品「世の終わりのための四重奏曲」(1941)を選んだのは、むしろ当然といえば当然と言えるかもしれません。なにしろメシアンといえば、「独特の浮遊感と超現実的な音作りを基調」(Wikipediaより)とするサイケデリック・ロックよりもはるか以前から、ということはつまり「サイケデリック」という言葉が誕生するよりもはるか以前から、「独特の浮遊感と超現実的な音作り」をつづけてきた作曲家といえるからです。
じつはこのCDにはオリヴィエ・メシアン本人による楽曲解説が付されているのですが、これがすごい。たとえば第二曲「世の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ」について。
第1と第3(きわめて短い)の部分がこの強い天使の力を喚起する。その髪は虹で、その衣は雲であり、かれは一方の足を海に、もう一方の足を地に置いている。(中略)ピアノはブルー=オレンジの和音でカデンツを奏し・・・(以下、略)
ブ、ブルー=オレンジの和音って、なに?
あるいは、第七曲「世の終わりを告げる天使のための虹の混乱」について。
強い天使が、特にかれを被う虹とともに現れる(虹は平和、英知、発光体と響きのすべての震動の象徴である)。(中略)そこで、この移行的段階に従ってわたくしは非現実へと進み入り、忘我的な旋回や超人間的な響きや色彩のめくらめくような浸透へ身を委ねる。これらの火のような剣、これらのブルー=オレンジの洗う河、これらの突然現れる星たち。それら群に注目せよ、虹に注目せよ!
出ました!「強い天使」。しかもまたまた「ブルー=オレンジ」ときた。どうやら「ヨハネ黙示録」から霊感を受けて作曲したためこんなことになってしまったらしいのですが、難解というよりはもはや感覚的、極彩色のサイケワールドとはいえないでしょうか?つまりこういう音楽を聴くときは、アタマで理解しようとするよりももっと感覚的に、その音響世界にトリップしてしまうほうがずっと面白いと個人的には思うわけです。
ドアーズやヴェルヴェットアンダーグラウンド、ジェファーソンエアプレインといった60年代から70年代にかけてのロックミュージック、あるいは音響系やエレクトロニカといったジャンルに興味のあるひとはぜひ、メシアンの音世界へのフラワーチルドレンからの返答ともいうべき(!?)このタッシ版「世の終わりのための四重奏曲」を騙されたと思っていちど聴いてみていただきたいのです。

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