北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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 連雀亭で、夢吉さんご本人から披露目のチケットを購入したのが、あれはもう4ヶ月も前のことだったのだなァと遠い目になりながら池袋演芸場へ。バタバタの4ヶ月であった。先月の浅草につづき、真打昇進襲名披露興行は2回目である。もう1回、国立演芸場にも行くつもり。

 断続的に土砂降りの雨が降る悪天候ながら、ざっと見渡したところ場内は7、8割の入り。トリを勤めた夢吉改メ2代目夢丸師匠は、マクラでご両親のエピソードをふってからの「明烏」。これはもう、今後の夢丸師匠の〝鉄板〟ネタになることまちがいなしの弾けっぷり。夢丸師匠は、ことさら現代的なクスグリで笑いをとろうというところはなく、かわりに登場人物の性格をデフォルメすることで〝モンスター〟に仕立ててしまう。結果、噺はファンタジーのように、SFのようになり、それに応じて〝滑稽さ〟もまた大波のようになって押し寄せてくるのだ。
 勉強ばかりで世間を知らない倅の堅物ぶりもかなりなものだが、それにも増して、その倅になんとか人並みの遊びを覚えさせようとあれやこれやと腐心する父親のパッションがものすごい。だいたい近所の遊び人に金を渡し、息子をだまして吉原に連れてゆくよう手引きをする父親なんているはずない。だから、所詮この噺はファンタジーなのだ。そして、ファンタジーをファンタジーとしてキッパリ描き切ってこそ面白い。夢丸師匠の「明烏」は、そういう演出に思える。暴走する父親に対し、母親はというと、心配こそしているものの、そこまでは望んでいない。いい着物を出すよう夫に言われながら、モタモタして催促される台詞からそれがわかる。気が進まないのだ。真っ当。手引きを依頼されるふたりにしても、チンピラというよりは、遊び好きだが貧乏な町内の顔見知りという位置付け。ほどほどにワルではあるが、父親の「暴走」にあきれるだけの常識は持ちそなえている。つまり、息子と父親は、対極にあるとはいえ、その〝モンスターっぷり〟で似た者親子なのである。この図式をひっくり返すと、これを機に息子は落語によく登場する道楽者の若旦那にすっかり変身し、反対に、見かねた父親は頑固な堅物に変身してしまったなんていう〝後日談〟もできるかもしれない。帰り道、もう一回ニヤリとできる「明烏」。

 ほかには、仲入りに小遊三師匠の代演で登場した鶴光師匠、そしてヒザ前の小柳枝師匠、ふたりのベテランがさすがの貫禄をみせた。鶴光師匠の「試し酒」は、酔うほどにボヤキっぽくなってしまいには主人にまでチクチクやりだすところが可笑しくってたまらない。大酒呑みの名前が「久蔵」ではなく「井上」なのは、誰かに引っ掛けていたのかな? さらーっと流しているようで、けっして薄口にならないのが小柳枝師匠の至芸。あの年齢にしてあのスピード感、そして「間」。どこが面白いとかうまく形容できないのだけれど、そこはかとなく面白い。〝旨味〟とでもいうか。とにかく、聴けるうちにたくさん聴いておきたい落語のひとりである。

 ところで、歌丸師匠が腸閉塞が原因で入院されたとのこと。先月、板付きで高座に上がった歌丸師匠は、まるで上半身だけ座布団にのっているかのようにみえるほどの異常な痩せ方で幕があいた瞬間、仰天した。声には張りがあったので安心したのだけれど。適切な処置の下、一日も早く高座に復帰されますように。

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2015年6月17日(水)

池袋演芸場 6月中席後半 夜の部
笑松改メ春風亭小柳
朝夢改メ三笑亭小夢
夢吉改メ二代目三笑亭夢丸
真打昇進襲名披露興行

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開口一番 昇市「たらちね」
◎三笑亭可女次「魅惑のアジアンツアー」
◎マグナム小林(バイオリン漫談)
◎三笑亭夢花「くどき武士」
◎春風亭柳之助「家見舞」※代演
◎松旭斉小天華(奇術)
◎雷門助六 小咄、あやつり踊り
◎笑福亭鶴光「試し酒」※代演

~仲入り~

真打昇進披露口上(下手より)
夢花(司会)、助六、夢丸、小夢、小柳、小柳枝、鶴光
◎三笑亭小夢「皿屋敷」
◎春風亭小柳「悋気の独楽」
◎春風亭小柳枝「新聞記事」
◎やなぎ南玉(曲独楽)
◎三笑亭夢丸「明烏」

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