北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

2017/06123456789101112131415161718192021222324252627282930312017/08

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カフェが舞台になっていたり、コーヒーがさかんに登場するような小説やエッセイがあれば、職業病かたんなる趣味の世界かはともかく、つい手にとってしまう。寺田寅彦『珈琲哲學序説』、ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』、それに獅子文六『可否道』などなど。そしていま読んでいるのは、「せきしろ」のエッセイ『去年ルノアールで』
renoir

著者が日々通いつめる喫茶室「ルノアール」で、ある意味「出会うべくして出会ってしまった」出来事や人々について綴った異色の《喫茶エッセイ》である。かりに(まさかそんなひとは存在しないとは思うが)いまだかつて「ルノアール」に入ったことがないというひとにとっては、この本はある種の「SF」と映るかもしれない。けれども、一度でもあのねじれた時空の中に身を置いたことのあるひとにとっては「なるほど」な、さもありなんワールドが繰り広げられている。

そういえば、この本を読んでいて思い出したのだが、かつてサラリーマンをやっていた頃、いちど職場の先輩とミーティングのために「ルノアール」に入ったことがあった。おもいっきりルノアール初心者であったぼくらは、うかつにもソファー席に陣取ってしまったうえ、そのふかふかすぎるソファーに身を委ねてしまったのだ。結局、ソファーに深く深く身を沈めたぼくらは、至近距離で向かいあっているにもかかわらず最後まで視線を合わすことなく、ひたすら斜め45度の天井をみつめたままミーティングを続けた。そしてそれは、おそらくぼくが体験したもっとも不毛なミーティングといえた。

そんな記憶の奥底に沈殿した「わたしとルノアール」を眠りから呼び覚まし、思わずひとに語らせてしまうこの本は、なんというかある種の《パンドラの箱》なのかもしれない。

去年ルノアールで
去年ルノアールで
せきしろ (2006/02/23)
マガジンハウス

この商品の詳細を見る





コメント
この記事へのコメント
マスター、こんにちは。調子はいかがですか。

最近、背中右半分が痛く、気分も沈み気味です。
原因は、仕事漬けの日々、運動不足、深夜の夕食、プレッシャー…

こんな時はマスターの“仕事をする為に生きているのではない、生きる為に仕事をする”という言葉を思い出します。

つい先日も友達にyuriの働き方は男的!と言われてちょっと見直さなきゃと思いました。

また、ほっとしに行きます。
2006/05/03(水) 15:03 | URL | yuri #-[ 編集]
息抜きも仕事のうち
yuriさん、こんばんは。

どうやら、相当お疲れのご様子ですね。忙しいと、目の前の仕事をさっさと片づけてしまいたい一心で、結果的にかえって無理をしてしまったりするものです。仕事が多少遅れたからってそう簡単に潰れる会社はありません。効率良く仕事をこなすためにも、ぜひしっかり息抜きをしてくださいね。
2006/05/03(水) 22:53 | URL | moi店主 #mLjQvPPA[ 編集]
素朴な疑問
昔からずっと不思議だったのですが、なぜRenoirが「ルノアール」なのでしょう。画家にしろ映画監督にしろ俳優にしろ、発音どおり「ルノワール」ですよね、普通は。
それから、喫茶ルノアールのロゴは画家のサインをそのまま使っているようですが、あれは問題にならないのでしょうか…?
2006/05/03(水) 23:56 | URL | baleine #-[ 編集]
以前にも見かけた難聴の記述、実は私も数年来の耳鳴りと難聴で、打合せには音を大きくするポケット型が欠かせません.もう鳴りっ放しの耳鳴りにも慣れてしまいましたが、音楽がきれいに聞こえないのはつらいですね.早口で話されるとさっぱり分からない.一見、普通に見えるから始末が悪い.いずれ、本格的に補聴器かと思っています.
2006/05/04(木) 14:30 | URL | 上田 札幌 #-[ 編集]
業界読み?!
baleineさん、コメントありがとうございます。たしかに、フィルム・ノワールだし、ピノ・ノワールですね。でも、やっぱり「喫茶室シャノアール」なんですよね...業界の「掟」でしょうか。あとロゴの件、たしかに画家のサインですよね。わざわざ遺族に了解をとった...なんてことはないですよね。

上田 札幌さん
難聴は両耳ですか?ぼくの場合、右耳の低音型感音障害なのでなんとか日常生活には支障はありませんが、調子の悪いときには男性の声が聞き取りにくくなんども聞き返してしまったりして申し訳ないときがあります。
2006/05/04(木) 14:49 | URL | moi店主 #mLjQvPPA[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://moicafe.blog61.fc2.com/tb.php/34-e24e11fa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。