北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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若かったころ音楽は、もっと自分にとって近しいものだったような気がする。音楽を聴くことには、ヒリヒリとする痛みやドキドキする高揚感、トンネルの暗闇で立ち往生しているかのような不安や焦燥感が、いつもともなっていた。音楽を聴くときぼくは、あるいはそこに自分自身の姿を見ていたのかもしれない。音楽を聴くことは「楽しみ」である以上に、もっとなにか切実な欲求に裏打ちされた行為だったような気がしてならない。音楽を「よく聴く」という意味でいえばむしろ、経験という便利な「ものさし」を手に入れた今のほうがはるかに音楽と器用につきあい、くつろいで「聴けて」いると断言することができるだろう。でも、音楽は若かったころ、「聴く」よりは「生きられる」ものとして、ぼくの手のひらの中にしっかりと握られていたのだった。

いま、ぼくの手元にはTHE YOUNG GROUPという、でももうそんなには若くない二人組のユニットによる二枚目のアルバムがある。

水流のように柔らかく絡み合い、ほどけてはふたたび絡む、そんな二本のアコースティックギターの響きと、色づけされることを拒むかのような無垢なヴォーカルが生む独自のグルーヴ感はファーストのときとなんら変わらない。でも、この『14』というセカンドアルバムには、音楽がまだ「生きられる」ものとしてぼくらを支配していたあの頃へと、聴くひとを瞬時に連れ戻してしまうような強烈な引力が、ある。この「若さ」ときたら、いったいなんなんだ。痛々しいまでに無防備な魂が、確かにそこにはある。CDを聴いて、こんなふうに感じたのはほんとうにひさしぶりのことだった。そしてこれはあくまでも想像にすぎないのだが、それはとりもなおさずTHE YOUNG GROUPのふたりが、音楽とはじめて出会ったころの衝動を(まったく奇跡みたいな話だが)いまもけっして失うことなく持ちつづけているからにちがいない。

こんなにも純音楽的なアルバムをつくったのが友人であることを、ぼくは心から誇りに思う。

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(2008/11/12)
THE YOUNG GROUP

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