北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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あまり書くこともないのでひさしぶりに音楽ネタでも。

清水の舞台から飛び降りるというほどではないにせよ、たった一曲のためにCDをまるまる一枚買うには二階建てのアパートの屋根から飛び降りるくらいの勇気は必要とするもので、そんなにまでして手に入れたCDはさほど多くはないのだが、この、サヒブ・シハブというちょっと不思議な響きの名前をもつマルチ・リード奏者がデンマークのミュージシャンたちとともに吹き込んだCDはぼくにとってそんな数少ない一枚である。

何年か前、CDショップの試聴機でこのCDの六曲目に収められたHarvey's Tuneという曲を耳にしたとき、いつもなら迷わずレジへと持ってゆくところがつい躊躇してしまったのは、ほかでもない、その他の曲の全部がぼくの好きなタイプとはちょっとちがっていたからである。だいたい、トランペットとかサックスとかがいまいち得意じゃない。トロンボーンやホルンはOK、フルートならむしろ大歓迎なのに。そしてこのHarvey'sTuneという曲では、サヒブ・シハブはそのフルートを吹いている。心浮き立つようなベースのイントロにのって軽快にフルートが歌い出す、都会の冬の朝にとてもお似合いのナンバー。ジャズというよりは、以前ここでとりあげた『裸足で散歩』みたいな、どちらかというと六〇年代の軽いコメディー映画のサウンドトラックにも通じるしゃれた楽曲である。

結局ぼくは三ヶ月くらい散々悩んだあげく、このアルバムを手に入れたのだった。「気に入った曲をダウンロード」ではなくて、いまだにCDショップや中古レコード屋でお気に入りの音楽を探し歩くようなぼくと同じ「古いタイプの音楽好き」ならば、きっとこんなふうに悩んだ経験を持っているんじゃないだろうか。

このあいだ、とてもひさしぶりにこのCDを引っ張りだして聴いてみたのだが、やっぱりというか、相変わらず他の楽曲はぼくにはピンと来なかった。だから、ぼくのPCにはいまだにこのHarvey's Tune一曲しか入っていない。もちろん後悔なんてしていないほどに、この一曲はすばらしく気持ちいいのだけれど。

ところで、このCDのジャケットを眺めると、レコーディングスタジオで共演者たちとともにフルートを吹く白いセーター姿のサヒブ・シハブが写っている。スタジオの壁には丸い時計が掛けられていて、時計の針はちょうど十一時四十一分を指している。午前か午後か、時計だけでは定かでないが、もしもそれがHarvey's Tuneの録音中だったとするならば(なにせ写真の中のシハブはサックスではなくフルートを構えているのだし)、断然それは午前中なんじゃないだろうか。なんといっても、ぼくが抱くこの曲のイメージに「午前十一時四十一分」はまさにぴったりなのだから。

●↓YouTubeに、その「Harvey's Tune」の音源がアップされているのを発見。いつ削除されてしまっても不思議ではないけれど、とりあえず。



Sahib Shihab and the Danish Radio Jazz OrchestraSahib Shihab and the Danish Radio Jazz Orchestra
(2008/04/29)
Danish Radio Jazz Orchestra

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2009/01/28(水) 05:33 | | #[ 編集]
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