北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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アーモンド入りチョコレートのワルツ
かれの鼻眼鏡
大きな階段のマーチ
横着者の小さなろくでなし
輪まわし遊びの輪をこっちのものにするために、かれの足の「魚の目」を利用すること・・・

これらはぜんぶ、エリック・サティが書いた曲のタイトル。ついこのあいだ中古CDショップでみつけた、ピアニスト高橋アキによるサティの作品集『童話音楽の献立て表』に収められた曲の一部だ。念のためつけくわえるなら、サティはもちろんあのスーパーマーケットのサティではなくて、20世紀の初頭に活躍したフランスの作曲家の名前である。

それにしたって、なぜサティはこんなおかしなタイトルの曲ばかり作ったのだろう? いや、それに負けず劣らず曲じたいもずいぶんと風変わりなのだけれど。

ひとつ考えられるとすれば、サティは音楽の伝統的な「文法」を無視するために詩的な、そしてシュールなタイトルを必要としたのかもしれないということ。もっといえば、サティは作曲家であるよりはむしろ、「ことば」の代わりに「音」で詩を書く「詩人」なのかもしれない。文法を無視した言語がもはや「ことば」たりえないように、たとえ五線譜を使っていようとも、サティの「音」はあまりにも「音楽」から遠くはなれてしまっている。それにくらべれば、ロックもジャズもよっぽど「音楽的」だ。なぜならそこにはロックの文法、ジャズの文法がたしかにあるから。もちろん、たぶん、ぜんぜんちがった「文法」に則ってつくられる現代音楽だって。サティは、どうなんだろう? 詩の「ことば」のように、「音」をぱつん、ぱつんと音楽の「文法」から外してみせた?

サティの音楽を聴くことは、そう思うとかなり独特な体験に思えてくる。それはまるで、となりのベンチから聞こえてくる詩人の独り言を聞くようなものかもしれない。はっとさせられたり、いっこうに意味がわからず混乱させられたり、突然の鋭いひとことに驚嘆させられたかと思えば、次の瞬間には思わずプッと吹き出してしまうといった具合に。そして「となりのベンチの詩人」とおなじくらい、(たぶん)サティも孤独だ。

と、これはぜんぶ個人的なメモのようなものなものなのでここまで読んでしまったひとには本当に申し訳ない気分なのだが、ここにきて、ようやくサティを聴くことがおもしろくなってきたみたいだ。

ところで(おそらく)誰もが聞いたことのあるサティの曲といえば「Je Te Veux」をおいてほかにない。邦題だと「おまえが欲しい」、英訳したら「I Want You」。なにやらとたんに、「スローなブギにしてくれ」という気分になってしまうから不思議である(←アラフォー限定)。



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