北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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シューベルトのソナチネ、ヴァイオリンとピアノのために書かれた三つのちいさいソナタが気に入っている。とはいえ、家におなじ曲のCDが五種類もあったのにはさすがに驚いたけれど。

なんといっても、この曲から感じ取られるボサノヴァ的な感覚がとてもいい。時代背景とか、色彩のグラデーションを思わせる微妙な転調であるとか、そのほとんどが家で家族や親しい友だちと楽しむためにつくられたところなど、ボサノヴァとシューベルトの音楽とのあいだには意外なほど共通点が多い。いや、少なくともぼくにはそう思われる。

シューベルトにはまた、たくさんの歌曲がある。聞いた話では、シューベルトはこうした曲を書くときピアノではなくギターを使っていたらしい。ぼくはまだちゃんと聞いたことはないのだが、シューベルトの歌曲のギター伴奏バージョンによるCDなんかもあるくらいだ。貧しくてピアノが買えなかった、というのがどうやらその理由のひとつ。とはいえ、真夜中にちいさな部屋で、寝ている家族を起こさないよう気遣いながらちいさな音で、ろうそくの灯りをたよりに譜面にペンを走らせるといった作曲風景は、リオ・デ・ジャネイロのナラ・レオンのアパートメントを引き合いに出すまでもなく、またしてもボサノヴァとシューベルトの近しさを想像させる光景である。

じっさい、ぼくはときどき iTunes でシューベルトのソナチネと、カルロス・リラとポール・ウィンターによるボサノヴァのアルバムをシャッフルしながら楽しんでいるほどだ。ポール・ウィンターのサックスは有名な『ゲッツ・ジルベルト』のスタン・ゲッツとはちがって、けっして大声で叫ぶことなく、終始ほほえみながらカルロス・リラの声に寄り添うようにプレイしていてまさにシューベルト的

シューベルトのCDは、手元にあるCDをあらためて聴きくらべてみたけれど、シェリングやグリュミオー、シュナイダーハンといった巨匠たちを差し置いて、個人的にもっともしっくりくるのはボスコフスキーとリリー・クラウスによる演奏だった。ボスコフスキーの、華やかさとは無縁の控えめなヴァイオリンの表現が、かえってボサノヴァにおける「クルーナー唱法」のようで誰よりもハマっている。そしてなんといってもリリー・クラウスのピアノが、その優しい響きが本当にすばらしく、カルロス・リラとポール・ウィンターのアルバム同様いつまでも聴いていたい、そんな気分にしてくれるのである。

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コメント
この記事へのコメント
すごく良いなあ、岩間さんらしい良いコラムだなあ、と思ったのでコメントを残します。
2009/05/28(木) 06:35 | URL | bar bossaのはやし #-[ 編集]
どーもです
> はやしさん

この手のネタは、総じてマニアックすぎて反応が薄いのでうれしいです(笑)。

『水車小屋の娘』の一曲目とか、ぜんぜんnaomi&goroがカヴァーしてもイケると思っているのですが・・・

あ、はやしさんが先日「渋谷B+2」のブログに先日書かれていた「バラに降る雨」のお話もすごくよかったのですが、あの「どろっとした」感じに気圧されてコメントできませんでしたよ(笑)。
2009/05/28(木) 11:48 | URL | moi店主 #mLjQvPPA[ 編集]
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