北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしく、なんて言うつもりは毛頭ないけれど、機械はやっぱり機械らしく、あってほしいもの。

「機械らしく」というのはぼくの場合、まず角張っていること、それにツマミやメーターといったいかにも「機械らしい」アイテムが適切に配置されていることがとにかく必須条件である。人間工学だとかエアロダイナミクスだとか、それはたしかにいいものなのかもしれないが、おかげでさまざまな機械(自動車や電車を含む)がどんどんフニャフニャしたかたちになってゆくのはどうにもこうにも見るに耐えない。

で、なにが言いたいのかというと、府中市美術館に行き「純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代―機能主義デザイン再考」という展覧会を観てきたのである。

ディーター・ラムスという名前にピンと来なくても、彼がデザインを手がけたドイツのブラウン社(BRAUN)の製品なら誰しも一度は目にしているのではないだろうか? かく言うぼくもそうで、ディーター・ラムスという名前こそ知らなかったものの、彼が関わったモノなら電動シェーバーにコーヒーミル、コーヒーメーカーに目覚まし時計など子供のころから家で親しんできたものばかりである。そういうところはちょっと、フィンランドの家庭におけるカイ・フランクの存在に似ていなくもない。

電動シェーバーにはじまり、オーディオ、キッチン雑貨、プロジェクター、カメラのフラッシュ、時計、電卓、家具などラムスがデザインに関わった製品の数はざっと五百以上にも及ぶが、それらはどれも基本的には

丸と四角(ときどき三角)

によって構成されているといっていい。たとえばL2というスピーカー(1958年)

DR01.jpg

あるいは、RT20というラジオ(1961年)なんかはまさにその典型。

DR02.jpg

とりわけ、このラジオはほんとスゴイ。いかにも「機械らしい」四角いフォルムにメーターや必要最小限のツマミを配したデザインはまさにシンプルの極みといった感じであるのに、ごらんのとおり無骨な印象はまったく、ない。

正面からみて左側に円形のスピーカーを配し、右側にはタテ型のチューニングメーターと九つのツマミが並んでいるのだが、L字型に配置したツマミ類とメーター、それに「BRAUN」のロゴとを線で結ぶと四角形になるよう計算されているのだ。なので、ゴチャゴチャいろいろなアイテムがあるにもかかわらず、印象としては左側に丸、右側に四角というまるで幾何学的に構成された図面のようにしか見えないのである。こんな具合で一事が万事、ディーター・ラムスというひとのデザインは計算されつくしたタイポグラフィーのように整然とした美しさで貫かれているのだった。

それ以外でいうと、ぼくの目を惹きつけたのは会場の一角にひとまとまりに展示されていた卓上、そして携帯のライターだった。そういえば子供のころ、こういった感じの卓上ライターが家にもあった。点火するためボタンを押し込むときの、子供にはけっこうな重みと「カチッ」という鈍い音がなつかしく思い出される。ぼくはタバコは吸わないけれど、こんなライターならひとつくらい家に置いておくのも悪くないかもしれない。ただときどきなんとなく火を点してみたりするだけの目的で。

機械らしい機械には、意味もなくただただ純粋に触れてみたい、そういう誘惑がまたつきものなのである。
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