北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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10月になって2度目の台風の影響で、朝から土砂降り。しかも冷たい風まで吹いている。ロジャニコの名曲に「雨の日と月曜日は」という曲があるけれど、まさにそれを地で行くような憂鬱な空模様である。それでもそんななか、わざわざ足を運んでくれるお客様がいるのは本当にありがたいことだ。しかも早じまいだというのに・・・

そんなわけで、なんだか申し訳ない気分になりながら銀座の王子ホールにやってきた。フランスのソプラノ、パトリシア・プティボンを聴くために。

こんど来たときにはぜったい聴きにゆかなきゃと思っていたプティボンの来日が決まり、曜日の確認もせずにとりあえずチケットを押さえたのがたしか、半年くらい前のことだった。コンサートのための早じまいなんて、思えばジョアン・ジルベルト以来である。2、3年に一度くらいなら・・・そんな「甘え」があるのも、事実。スイマセン。

今回のプログラムでは、前半にヘンデル、ハイドン、モーツァルトといったバロックから古典派にかけてのオペラアリアが並んでいる。黒いドレスに身を包んだ赤毛のプティボン、最初の3曲を情感豊かにしっとりと聞かせる。

ついに「お笑い」は封印か? と思いきや、つづくモーツァルトのアリアではいきなり伴奏者とともに

ファッション誌片手に、ド派手なヅラをつけて登場(笑)


その後も、客席に潜んでいた謎のおっさん(コメディアンだと思ったらじつは立派な方だった)相手にコミカルな演技をしながら歌い踊ったり、ピアノの上に足を投げ出したり、客席に浮き輪やらなにやらを放り投げたりと相変わらずの暴れっぷり。やはりプティボンはプティボンなのだった。

つまり、とにかくプティボンは自分の好きな歌を、あるいはいま自分がいちばん聴き手に届けたい音楽を、歌う。それはたとえば、ぼくのような聴き手にとっては縁遠いハイドンやヘンデルの歌曲、アリアであったり、現代の作曲家による雲をつかむような響きのラブソングであったり、あるいはまた本来はテノール(つまり男声)によって歌われるべきバーンスタインの『キャンディード』からのアリアだったりする(パンフレットによれば「好きなメロディーを自分なりに歌いたい」というのがその理由)。

客も客で、プティボンの歌に新たな「たのしみ」や「発見」を見いだすことを心から楽しんでいる。ステージ(やときには客席内)を歩き回ったり、さまざまな小道具を繰り出したかと思えばコスプレまがいの扮装をしてみたり、そんな彼女のアイデアがたんなる奇抜さやウケ狙いではなくて、聞き慣れない曲を120%楽しむために大いに役立っているということをよく知っているからだ。聴き手は、プティボンという「キャラクター」を通すことで、作曲家の名前や有名な曲だからといった理由を忘れてとてもフレッシュな心持ちで音楽に心を開いている自分に気づく。

音楽を聴くたのしみって、つまりこういうことなんだなあ。

強風で傘があおられそうになるのを必死でこらえながら、帰り道かんがえていたのはそいうことだ。


↓ちょっと前の映像から。フランスの作曲家シャブリエによるオペラ『エトワール(星占い)』からのアリア「くしゃみのクプレ」。

コメント
この記事へのコメント
いいなぁ!とてもとてもうらやましい。
この映像の長くつ下のピッピがひっくりがえったような髪型もキュートですが、ご覧になられたこの夜のド派手なヅラってのがすごい気になります。
2009/10/28(水) 08:33 | URL | zeauxzeaux #-[ 編集]
こんにちは
> zeauxzeauxさん

こんにちは。

ジャンルで聴く音楽を限定しているようなひとは別として、プティボンのコンサートは必見だと思いますよ。楽しいので。

ヅラのネタばらしもしたいのですが、同じ内容のコンサートがまだ11/2にあるので秘密にしておきます。でも、ひとことで言えば

アキバ系?

でしょうか・・・

コンサート情報は↓

www.japanarts.co.jp/html/2009/vocal/petibon/index.htm
2009/10/28(水) 18:39 | URL | moi店主 #mLjQvPPA[ 編集]
急ぎ足で。
思わずその「アキバ系」というのを忘れて会場入りしたのですが、「あぁ!!」と。思わず小声をもらしてしまいました。
思えば一生にいっかいくらいは観てみたいよなぁ、オペラ。そんな私が観たいと、こちらで知った事、そしてプティボンの愛らしさと裏腹の貫禄。マジシャンのような天使のようで、道化師にも変化する。なんとゆってよいのか、よくわかんなくなってきましたが。
重ね重ね、素敵なきっかけを作って頂いた事、ありがとうございました!
2009/11/05(木) 20:02 | URL | zeauxzeaux #-[ 編集]
こんにちは
> zeauxzeauxさん

コメントありがとうございます!

このブログがきっかけでプティボンのコンサートに足を運んでいただいたなんて…とてもうれしく思います!

あの変幻自在さ、そして肉声の素晴らしさ、楽しんでいただけたようですね。

オペラはぼくも、いくつかの作品を除いてはなかなか近寄りがたいのですが、最近では演出が奇抜で面白いものも多いのでいつか機会をみてぜひチャレンジされてみて下さいね。
2009/11/05(木) 20:32 | URL | moi店主 #mLjQvPPA[ 編集]
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