北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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博物館は、都市の副交感神経である。

という、ワケのわからない仮説を振りかざして上野にある国立科学博物館にいってきた。

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引き続き、ここ東京は異常気象である。きのうの最高温度は前日比マイナス15℃だとか…… こうなると、ただただ呆然とするしかない。じっさい人間のからだも呆然としているらしい。鍼の先生いわく、「自律神経が昂ぶっている」とのこと。なんでも、自律神経には緊張を高める「交感神経」と、反対にそれをゆるめる「副交感神経」とがあって、状況にあわせてふたつを上手にスイッチしている。ところが、その切り換えがちゃんとはたらかないとつねに神経は「戦闘モード」に置かれることになり、やがては疲弊してさまざまな不調や病気へとつながってゆく。

そこではたと気づいたのだが、都市もやっぱり、ある種の「自律神経」なのではないか。都会というと、もっぱら「交感神経」を刺戟する場所のように思えるし、じっさいそうにちがいないのだけれど、そこが「すこやか」であるためには「副交感神経」を刺激する場所もほどよく用意されていなくちゃならない。そう書きながら、いまぼくが思い出しているのは京都だったり松江だったり、あるいはまたヘルシンキだったりといった、ぼくが大好きな街のことだ。

京都にせよ松江にせよヘルシンキにせよ、どこも立派な都会=絶えず交感神経のはたらきが必要とされる場所である。けれどもその一方で、共通してそこには川や海、湖といった静かな水辺、豊かな緑をもつ公園や神社仏閣、または森、望めばいつでもひとの目から身を隠すことのできる細い路地や暗闇といったものが、ある。いってみれば、これらはすべて都市のなかの「副交感神経」といえる。

それにくらべて、ここ東京はどうなのか? それはまるで、巨大な交感神経の束そのものである。かろうじて東京に「副交感神経」にあたるものがあるとすれば、それは

これといった目的もなく訪れるカフェ、そして博物館

ということになる。このあいだツイッター(@moikahvila)でもつぶやいたのだが、東京でこれといった目的ももたずに博物館やカフェを訪れることは、北欧のひとがことあるごとに森へゆくのにとても似ている。つまり、昂ぶった神経をクールダウンするためにはそれがどうしたって必要、という意味で。

たくさんの動物たちの剥製を見て彼らが暮らす遠い世界を想像すること。不思議な名前をつけられた鉱物やさまざま化石が整然と陳列された小部屋で、そこに刻み込まれた長い長い時間に耳を澄ましてみること。植物や穀物の標本から、その匂いや味を想像してみること。博物館でこそ体験することのできる、こうした濃密で、ある意味「無益」な時間はほんとうに贅沢だ。


ヒラコテリウム ハダカデバネズミ キバノロ ナマケグマ チビトガリネズミ しつこいミンク セーブランテロープ タナカゲンゲ ヨハンセン輝石……


これらは、博物館をのんびり散策しながら書き留めていった「お気に入り」の名前なのだが、まったく無意味で無益このうえない。あらためて見直すと、なんでメモしたのかすらわからないくらいだ。

博物館とカフェは、東京での暮らしをほどよく「ゆるめて」くれる数少ない場所なのである。
コメント
この記事へのコメント
なんと!
こんにちは。
びっくりな偶然ですが、私も先週、ふと国立科学博物館に行きたくなり、息子と二人で行ってきたのです。急に、無性に、行きたくなったのです。
息子にとっては初の科学博物館で、「こわかった(剥製などがありますものね)。けれど楽しかった、また行く。」と言っていました。
2010/04/25(日) 15:35 | URL | nono #-[ 編集]
すごい!偶然!
> nonoさん

それはビックリです。たしかに、子供にはなかなか刺激的な展示ですよね、いろいろな意味で。

大人になったらもっと違った楽しみ方ができるのではと思っていましたが、実際のところは子供のころとほとんどおなじ「ツボ」で喜んでいたような気がします(苦笑)。
2010/04/27(火) 15:12 | URL | moi店主 #mLjQvPPA[ 編集]
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