北欧、フィンランドをこよなく愛するカフェ店主がつづる日々のあれやこれや。

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とある休日、たまたま通りがかった映画館でちょうどロバート・アルトマン監督の『バード★シット』を上映していたのだった。その日はとりたててこれといった予定もなかったので、思わずふらりと劇場に入ってしまった。

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とはいえ、ぼくは「ロバート・アルトマン」という名前こそ知ってはいたが、彼の作品は観たことがない。あの有名な『M★A★S★H マッシュ』でさえも。帰ってから調べたところでは、「『M★A★S★H マッシュ』で脚光を浴び始めたばかりのロバート・アルトマン監督による、カルト的人気を誇るブラック・コメディー」とある。1970年の作品。だが、もちろんそのときぼくは、この映画についてまったくなんの予備知識も持たないまま席に着いたのだった。

そしてこの『バード★シット』、おもしろかった! そこにあるのは、笑いと切なさと。ひとことで言えば、「傑作」である。十数年前、その当時六本木にあった「シネヴィヴァン」で初めて『真夏の夜のジャズ』を観たときもそうだったが、見終わったそのすぐ後に、もう一回くりかえし観たいと思った。そんな経験、そうめったにあるものじゃない。

空を飛ぶ人間は、それと引きかえにいったいなにを失うか?

この映画の舞台は、テキサス州のヒューストン。いわずと知れたNASAのお膝元である。しかもこの作品が撮られた1970年といえば、「アポロ計画」でアメリカじゅうが熱狂していたころ。そんな時代に、「空を飛ぶこと」を夢見る少年を主人公に、ブラックユーモアをたっぷりまぶしたこんな映画を撮ってしまうあたりロバート・アルトマンという人の「反骨精神」を感じずにはいられない。ヤクザな警察官やベタベタな敏腕探偵が登場したかと思えば、人類初のパイロット、アブラハム・ライト(120歳)が人格の崩壊した守銭奴として登場したり。しかも、最初に殺される人物は「イベントで国歌を披露するのが趣味」の大金持ちの老女である。権力者や富裕層、偽善者、墜ちた英雄、差別主義者、マッカーシズム…… これらアメリカの「影」の部分がこの作品のなかでは次々と光の下に曝され、無惨な最期を遂げるのだ。笑いと、そして鳥の糞(バード・シット)にまみれて。

一部、アメリカン・ニュー・シネマの世界ではこの作品を「カルトムーヴィー」と評するむきもあるようだが、ぼくはそうは思わない。「イカロスの神話」を持ち出すまでもなく、これはひとつの「寓話」である。

カメラワークの秀逸さ、さまざまな仕掛けの大胆さ、音楽の扱い方の巧みさもこの作品の重要なポイント。ひさびさに「熱く」なれる映画と出会った。



追伸 キノイグルー 有坂さま

以前記帳させていただきました「好きな映画リスト」ですが、新たにぜひとも加えたい作品ができましたので、次回機会がありますときに追加で記帳させていただけますようお願いいたします(笑)。
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